火焔型土器
―ベーシックインカム ええじゃないか 2010―    パンフレット

ベーシックインカムを導入し、

みんなが安心して暮らせる社会をつくろう!

◆ベーシックインカム(基本所得)を知っていますか?

ベーシックインカムとは、今世界的に注目されている社会保障の考え方です。ベーシックは「基礎的な」、インカムは「所得」「収入」の意味です。ベーシックインカムとは、政府がすべての人に無条件で一定の基本所得を保障するという制度です。200年以上前からそうした考え方は提唱され、実現を求める動きもありました。

働いている人にも働いてない人にも、収入の多い人にも少ない人にも、老若男女を問わず、すべての人に一律に無条件に最低限の生活を支える所得が支給されます。

日本で試算されている金額でいえば、例えば 月額5万〜8万円、4人家族なら毎月20万〜32万が支給されることになります。 財源はどうするのかと、そんなうまい話があるわけないと、夢物語だと思うでしょうか。しかし、そうでもないのです。実際の試算もあり、十分に実現可能な制度です。(★財源については7〜9ページを参照して下さい。)財源について

◆広がる格差と貧困のなかで

企業は生き残るために合理化や人件費の削減をすすめてきました。ごく少数の「勝ち組」を除いて、給料は切り下げられ、派遣などの不安定就労はあたりまえになり、中小企業や自営業者は資金繰りにあえいでいます。農漁業は軽視され、地方は空洞化し、商店街のシャッターは閉まっていきます。働きたくても、仕事がない、仕事があっても暮していけない。そんな悲鳴が聞こえてきます。仕事を失い、住むところを失い、ネットカフェや路上で暮らすことは、いつでも誰にでも起こりうることになってしまいました。

誰もが仕事に就けて一定の収入があることを前提にした失業保険、生活保護、健康保険、基礎年金といった従来の社会保障の制度では対応できない世の中になってきているのです。こうした格差社会への対応として今、ベーシックインカムが注目されているのです。

◆ベーシックインカムは所得の再配分 

―ゆるやかな分かちあいの社会へ―

ベーシックインカムは、政府による所得の再配分です。国が税金等によって集めたお金の一部を、すべての人に一律に再配分する仕組みです。

様々な試案がありますが、(財源を所得税に求める場合)先進国のなかでも大きく格差が広がっている日本では、ほとんどの人はベーシックインカム導入によって税負担が増えても、ベーシックインカムで入ってくる所得の方が多くなります。高額所得者は増税になりますが、15年ほど前までは課税所得が2千万円を超えると所得税率50%だったことを思えば受容できる範囲でやっていくことができます。最低限の生活保障になるため、従来の福祉制度、失業保険や生活保護、基礎年金もベーシックインカムに一本化することができます。シンプルだから行政もスリム化します。全ての人に公平に給付されるので、政治家や官僚や企業・団体の利権につながる心配もありません。もちろん、これまで自分が培ってきたものや、積み立ててきた自分の年金がなくなってしまうわけでもありません。

ベーシックインカムはすべての人に与えられる安心のセーフティーネットであり、憲法25条が明記する「生存権」を実現する手立てです。経済競争は格差を生み、生きるのも困難な人を生みだします。ベーシックインカムは世の中を弱肉強食の極端な競争社会から、ゆるやかな分かちあいへの社会へ転換する仕組みです。いのちや最低限の生活に関わる費用をみんなで負担、分担しあうのです。最も弱い立場の人をみんなで守る制度は、自分自身の安心と保証ともなります。

◆ベーシックインカムによって活性化する社会と経済

所得の再配分と聞くと「全体主義、社会主義ではないのか」と思う人もあるかもしれませんが、全く違います。政府が最低限の基本所得を支給するだけで、仕事からの収入はそのままです。年収2百万円の人も、1千万円の人も所得はそのままで、それプラス月々のベーシックインカムが支給されます。この所得の再配分によって、社会全体が活性化しますし、経済も活性化します。ガンガン儲けたい人はそれを求めればいいのです。

ホームレスや路上死の心配がなくなります。雇用者は生活のために、良心を捻じ曲げて我慢しながら仕事をする必要はなくなります。自分のやりたいことを仕事にできる道が広がります。起業も転職もしやすくなります。稼ぐために頑張りたい人は頑張ればいいし、収入より自分のやりがいや、世の中に役立つ働きを求める人はそれを求めればいいのです。

自営業者も、商店主も、中小企業の経営者も、グローバルな競争の荒波のなかでの資金繰りや、すべてを失う倒産の不安のなかで働くことから解放されます。そこで働く従業員も同じです。みんなが安心のなかでより良い仕事ができる環境が整います。

農業をしたいけれど暮していけないという人たちも、基本所得があれば安心して農業を継いだり、農業に飛び込むことができます。農林水産業は国の基盤です。ベーシックインカムの導入は農林水産業の確かな復興につながるでしょう。

子育ても、介護も、今よりずっとしやすくなるでしょう。勉強や研究、芸術や芸能、伝統工芸や技術、スポーツなどにチャレンジすることも容易になります。病気や「障害」で特別な治療や介護や対処が必要な人には基本所得に加えた福祉の仕組みを作る必要がありますが、競争社会になじめずにひきこもっていた人や、心を苦しくしていた人は、心が軽くなるでしょう。ストレスなどによる病気が減るのは間違いありません。より貧しい国の人々への支援や、ボランティアや社会貢献もしやすくなるでしょう。

ベーシックインカムは、自由で多様な生き方を可能にします。基本所得の支給によって生活基盤は安定します。あと何がしたいのか、何を必要とするのかは個人個人が決めればいいのです。庶民は厳しい時代も知恵を働かせ工夫をしながら生きてきました。飢える心配がなければ多様な生き方や多様な才能が生まれ、多様なニーズが生まれ、仕事も生まれます。ベーシックインカムは人間の活力と能動性を大きく引き出す可能性を持った仕組みでもあるのです。誰もが世界に一つだけの花を咲かせることができるのです。

◆金は天下のまわりもの 

―分かちあってこそ、みんなの幸せ―

経済競争の追求は、より合理的により多くを集めるために、人間を金もうけの道具にします。派遣社員は使い捨てだからこそ成り立つ経済と社会です。人間を切り捨て、大切にしない社会に希望や未来はありません。

ベーシックインカムは、自分だけにお金を集めるのではなく、みんなに、社会全体にお金が循環する仕組みです。自分もみんなも幸せになる仕組みです。いくら沢山お金があっても死ぬ時にそれを持っていくことはできません。お金持ちが幸せだと思われているのは、お金がないと生きていけない、みじめな思いをするからです。お金によって手に入れられるものがたくさんあるからです。お金は使ってこそ、使えてこそ意味があるのです。金は天下のまわりもの。社会や経済が活性化し、お金が循環してこそ、人々の喜びや幸せが広がっていきます。新たなニーズも可能性も広がるのです。

ベーシックインカムが導入されれば、暮らしの不安や老後や将来への不安は薄くなります。自分に集めておく必要がなくなればお金は循環します。椅子取りゲームのようなネガティブな競争から解放されて、本当の意味で豊かな経済や社会が活性化するポジティブなサイクルが生まれます。

人は人を求める生き物です。人との絆を求め、自分が愛されている、自分が誰かから必要とされている、自分はひとりじゃない、そう思えることが、生きることの意欲や希望になるのです。あるいは大切な人、愛する家族がいるからこそ頑張れるのです。人間の喜びや幸せは、そんな人とのつながりのなかにこそあるのだと思うのです。ベーシックインカムは、まさにそうした人間の多様なつながり方を可能にし、みんなが幸せや喜びを実感できる社会をつくる道です。

◆時代の岐路だからこそ、発想の転換を!

ベーシックインカムはこれまでの枠組みを大きく変える大胆な政策です。しかも合理的で有効な政策です。最初聞けば誰しも違和感や抵抗感があるかもしれません。発想の転換が必要です。けれどもその内容や実現可能性を知れば、十分に検討に足る、導入に値する制度です。リスクや問題もあるでしょう。けれども、このままだったら行き詰まる一方、ごく普通に暮らしていけない人たち、生きられない人が増える一方です。対策が後手にまわることは、苦しさのなかに取り残される人たちを作り出すということです。小手先の対応を続けることで生まれる混乱や抱えるリスクはさらに大きいと思うのです。今なら間に合うのです。

社会が行き詰っている今、求められているのは新しい社会と新しい国づくりです。新しい価値観と新しい秩序です。明治以降、日本は富国強兵とひたすら脱亜入欧を求めてきました。戦争の過ちを刻み、ひたすら求めてきたのは欧米化であり、戦後はアメリカの後をついていくような経済的発展でした。その「強い者勝ち」の弱肉強食の競争の行きつく果てに、豊かになったはずの日本で、年間3万人以上が自らのいのちを絶っています。

強い者、力のある者、大きなものに依存して尽くし、頼っていたら安心だった時代はもう終わりました。この国の人は、良くも悪しくも善良です。だから会社や組織のために一生懸命働いてきました。経済発展もしました。けれどもこの時代、もうそれだけではお手上げ、どうにもならないのです。

先の見えない時代だからこそ、今、本当に大切にするべきは何なのかを問い直したいのです。人間やいのちを大切にしない経済発展は行き詰っています。もう無理してアメリカの後を追い、その真似をする必要はないのです。弱肉強食の競争より、ゆるやかな分ちあいと支えあいの社会を求めればいいのです。実現すればいいのです。みんながもっと自由に、多様に、生き生きと生きられる、新しい社会をつくればいいのだと思います。ベーシックインカムの導入です。この世の中を、時代を動かすのはあなたです。

◆金もうけより、人間やいのちが大切です

ベーシックインカムを導入すると働かない人が増えるという批判があります。そういう人もいるかもしれませんが、それで社会や経済が停滞するようなことはなく、むしろ活性化する側面の方が大きいでしょう。働くことの喜びは、むしろ自分が誰かの役に立つことや、何かを生み出すこと、必要とされていることのなかにあるからです。

人情が廃れたとはいえ、自分だけが得をすることより人との調和を求めることや、困った時はお互い様の気持ちは、人々のなかに生きています。

6400人を越える人たちが犠牲となった阪神淡路大震災の時、人々は隣近所で助けあって、瓦礫の下に取り残されている人たちを救いだし、戦場のような現場で乏しい水や食料を分けあいました。あの大混乱のなかで店舗などへの略奪や、暴動が起きなかったことに、外国人のジャーナリストは驚いたといいます。地域の人が助けあい、全国から沢山のボランティアが駆けつけ、奇跡のような人間どうしの助けあいと心の通いあいの関係が生まれました。

100人を越える犠牲者を出したJR西日本の宝塚線脱線事故の時もそうでした。目の前で起こった事故に、周辺住民の人たちは力を合わせて必死の救助活動にあたりました。同じ人間どうし、目の前で困っている人がいればほっておけない、少しでも力になりたいのです。それがこの地に足をつけて、汗して働き、一生懸命に日々の暮らしを営んでいるほとんどの人たちの庶民感覚なのだと思います。何らかの大きな力が不当な介入をしなければ、庶民は人間どうし手を携えていけるのです。困った時は助けあい、生きていく術を知っているのです。

太古の昔からこの列島の人々は自然を敬い自然に寄り添いながら、調和と共生のなかで生きてきました。近年の研究で、縄文と呼ばれる時代は「原始時代」などではなく、世界最古の高度で豊かな文化を持ち、1万年の長きにわたって奪いあいや争い(戦争)のない社会だったことがわかってきています。1万2千年前の土器も見つかっています。文明発祥の地とされるメソポタミア地方で発見された最も古い土器は8千年前、世界最古の土器をつくったのは縄文人なのです。やがて大陸から弥生文化が入ってきて縄文という時代は終わるのですが、この列島には1万年にわたって調和と共生のなかで生きた縄文の人たちの心が刻みつけられていて、今も私たちのなかで息づいているのではないでしょうか。

外国からの観光客は商店の店先に積み上げられた商品を誰も盗っていく者がいないことに驚くそうです。この国にはベーシックインカムを実現する土台や条件がそろっているのです。ベーシックインカムに基づくゆるやかなわかちあいの社会の実現は、この国が世界に誇れる新しい社会のモデルとなり先駆けとなる道でもあります。

◆民意があれば、世の中は動きます

繰り返しになりますが、ベーシックインカムは実現可能だし、導入は夢物語ではありません。ベーシックインカムを求める人が増えれば、その声が大きくなれば、その声を無視できなくなれば、世の中は動きます。

地の底から湧きあがるような人々の願いが、新しい世の中への期待と希望が、昨年の政権交代につながりました。多くの人々がこのままではやっていけない、暮していけない、生きていけないからこその変化を求めました。 国民の生活が第一、庶民の側、人々の側に立った政治は実現されるのでしょうか。私たちの願いは、叶うのでしょうか。政権交代を望まなかった人たちも、多くは「今より世の中が悪くなっては大変だから」という思いからだったのではないでしょうか。圧倒的多数の人々が、自分もみんなも安心してごく普通に暮らしていける社会を願っているのだと思うのです。

私たちは今、呼びかけます。ベーシックインカムを導入し、みんなが安心して暮らせる社会をつくろう、と。私たちが声をあげれば社会は変わるのです。民意があればできるのです。

◆ベーシックインカムええじゃないか

「ええじゃないか」はお陰参りとして、江戸時代に60年周期で盛り上がった民衆のエネルギーの発露です。今年、2010年はちょうどその60年周期に当たります。文政13年(1830年)のお陰参りでは、全国から400万人が職場放棄して伊勢に参拝したといいます。当時の人口は2200万人ですから、ものすごいエネルギーだったのでしょう。

幕末には「ええじゃないか」踊りが流行しました。幕末という時代の岐路にあって、庶民の生活は苦しく、物価高や先の見えない社会不安のなかにありました。仮装して「ええじゃないか」と踊りながら伊勢に向かう群衆は、沿道の人たちを巻き込んで膨れ上がったといいます。それは閉塞した日常の縛りから解放され、新しい時代の到来を願望する人々のエネルギーの爆発でもあったのだと思います。

時代の岐路で、新しい世の中を切望する時代の声を今、あげましょう。この国を再興しましょう。私たちは新しい時代の到来を願います。私たちの手で、私たちの声で、新しい社会をつくりましょう。  

ベーシックインカムええじゃないか! 

ベーシックインカムを導入し、みんなが安心して暮らせる社会をつくろう!

◆本の紹介◆ 

「ベーシック・インカム入門」 ―無条件給付の基本所得を考える―

山森亮 著  光文社新書  840円

世界的に注目される新しい仕組み・不安と貧困のない社会へ

ベーシックインカムについて、 その歴史や考え方について、

社会的な意味や各国での取り組み等を知ることができます。 

ベーシックインカムについてもっと知りたい方におすすめです。        

 

ベーシックインカムの財源について

ベーシックインカムは、「最低限の生活にも支障をきたす人が激増している時代だから、皆が生活していけるように、その負担を皆で分かちあっていこう」という制度です。

所得税や消費税を財源にする場合は、もちろん今の税制のままでは財源はありません。ですが、ベーシックインカムは政府が何かとてつもなく大きな買い物をするのではなく、国民の所得の一部を再分配することなので、新しい財源はいらないともいえるのです。

再配分ですから、ベーシックインカムの導入によって実質所得が増える人と減る人ができてきます。その兼ね合いに無理がなければ、社会全体が豊かになるのですから、国民的な合意もスムーズに得られるでしょう。 まず認識しておきたいことは、今の日本はアメリカ型の競争社会で、社会保障や福祉の後進国だということです。

2005年のデータですが、国民所得に対する社会保障費(年金・医療給付金・福祉給付金)の割合は、日本は25%です。アメリカは20%、フランスは39%、スウェーデンは44%です。 国民所得における年金・医療給付金以外の福祉費の割合は、日本が4%、アメリカが3%なのに対して、フランスは12%、スウェーデンは20%です。

北欧諸国では 税や社会保障費の負担が 国民所得の75%であり、社会保障費は国民所得の50%程度になっています。 現状の日本がいかに社会的弱者・経済的弱者に冷たい国かということです。そこを改めていかなければ、「国民の生活が第一」にはなりようがありませんし、「友愛社会」は絵に描いた餅でしかありません。

◆財源についてはさまざまな方法があります

 まず、ベーシックインカムを導入するにはどれぐらいの財源が必要になるのでしょう。たとえば、すべての国民に毎月5万円支給の場合で年間75兆円(総人口1億2500万人で計算)、毎月8万円支給で136兆円になります。しかし、ベーシックインカムの導入によって現行の社会保障費のかなりの部分が必要ではなくなります。

ある研究者によれば、毎月8万円支給の場合、現在の社会保障費から50兆円程度はベーシックインカムに振り替えられるそうです。とすれば、86兆円の財源があれば毎月8万円のベーシックインカム導入は可能です。

・所得税率を上げて、その一部をベーシックインカムとして再配分するという方法。

・消費税率を大幅に上げて、財源にあてる方法。

・所得税と消費税の両方を少しずつ増税して組み合わせるという方法。

・新たに政府通貨を発行するという方法。

具体的には、専門家の皆さんにじっくり検討していただくべきことです。 しかし、ベーシックインカムは今の弱肉強食の競争社会をゆるやかな分かちあいの社会へと移行させていく方策としてこそ意味のあるものです。 ですから、消費税を大幅に上げてベーシックインカムの財源にすることは庶民の受ける恩恵を薄くし、結局はお金持ちをさらに優遇することになると私たちは考えています。

裕福層でダブついたお金は投機にまわされ、バブル経済の再現になりかねません。 今でさえ投機マネーが世界を牛耳り、投機などとは無関係に暮らす圧倒的多数の庶民の暮らしを直撃しているのですから、ベーシックインカムは庶民の暮らしを本当の意味で豊かにするものでなければなりません。

 新たに政府通貨を発行するという方法は、投機マネーと、暮らしに必要なお金を別のものにしていくでしょう。強欲なマネー経済に激しく振り回されている世の中を、地に足のついた社会や人間の暮らしに修正していくことにもなり、非常に興味深い方法だと思います。

◆所得税を財源にする場合について、具体的に説明します

給与所得と申告所得(個人事業者の所得・利子所得・配当所得など)の課税対象所得が、日本は250兆円程度あります。

そのうち所得税として徴収されているのは、15兆円程度です。そこでさまざまな課税控除を廃止して、所得税を一律45%にすれば、112兆円あまりの財源が生まれます。毎月8万円のベーシックインカム導入に十分な財源が得られます。

ちなみに現在の所得税率は、5%(195万円以下の課税所得)から6段階に分かれています。

最高税率は40%(1800万円以上の課税所得・ただし約280万円の減額、つまりキャッシュバックがあります)。 課税所得が900万円以上1800万円以下では33%の所得税率ですが、実際に納める所得税は153万円が減額(キャッシュバック)される仕組みです。

以下に子供が二人の夫婦のどちらか一人が働いている家庭をモデルにして、一律45%の所得税で毎月8万円のベーシックインカム支給する場合の例を大雑把にあげてみます。

・年収300万円の家庭の場合は、所得税が135万円になりますが、ベーシックインカムで

384万円(96万円×4人)支給されるので、549万円の所得になります。

・年収500万円の家庭の場合は、659万円の所得。

・年収700万円なら769万円、年収900万円なら879万円の所得になります。

単身者の中には減収になる人も出てきますが、結婚して子供ができれば家族の所得は増えるケースが多いでしょう。

高額所得者は所得減になるでしょうが、15年ほど前に比べれば今の高額所得層の所得税率は大幅に下げられているので45%というのは許容範囲ではないかと思います。

 先の見えない日本の現状を改革していくための貢献を、成功者としての誇りとしてくださる方々も少なくないと信じます。

毎月5万円のベーシックインカムならば、当然ですがもっと負担は少なくてすみます。日本におけるベーシックインカムの提唱者である、京都府立大学の小沢修司教授によれば、所得税の控除を廃止するだけで所得税収は20兆円以上増えるそうです。それを元にして、予算の配分を工夫したり、あるいは所得税か消費税の税率を今よりも少し上げるだけで財源は確保できそうです。

◆ベーシックインカムは可能なだけでなく、必要な制度です

日本の借金は1000兆円を超え、毎年30兆円以上の新規国債を発行しています。 なのに庶民の暮らしは一向に楽にならず、先の見えないデフレの中で、国も社会も人間も将来に希望を見出せなくなっています。 今の日本に必要なものは弱肉強食の社会ではなく、皆がそれなりに豊かに暮らしていける北欧型の社会に切り替えていくことです。

もともと貧弱な上に、行き過ぎた市場経済主義・経済至上主義によってズタズタにされた社会保障制度を繕っていくのでは間に合いません。 制度の枠から漏れた低所得者が非常に多い日本ですから、官僚の発想による社会保障では抜本的な解決は望めず、庶民の多くは厳しさの中に取り残されたままになるでしょう。 しかし、皆が少し発想を切り替えて北欧並みの負担をし、それを皆で分かちあえば、一挙にデフレや貧困は解消され、極端な格差社会も是正されるのです。

今の社会は、自分が生き残るためには人のことなど思いやっていられないネガティブな椅子取りゲームのようなありさまです。人としての優しさや正しさを発揮しにくい状況です。けれども皆に一定の基礎収入が保証されれば、社会も人の心も必ず変わってくると思います。電車やバスに必ず座れることが分かっていれば、誰もが我先にと席を争わなくてもよくなるのです。皆も自分も豊かに生きる世の中を願って、「ベーシックインカムの実現」に向けて声を上げていきましょう。

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◆ベーシックインカムええじゃないか とは?◆

「ベーシックインカム ええじゃないか」は 組織でも会員制のグループでもありません。 NPO法人「ドネーションシップ わかちあい」というグループの活動のなかから、会員有志によって生まれました。

 「ドネーションシップ わかちあい」は、分かちあいと支えあいの社会をめざしています。 庶民どうしの分ちあいの仕組みとして、普通の市民が持ち寄った会費を、「生きるのも困難な状況にある人たち」に寄付(わかちあい)しています。2007年の発足以降、9団体に計4,533,200円の寄付(わかちあい)を実施しました。 

http://donationship.org/

「ベーシックインカム ええじゃないか」は、「ドネーションシップ わかちあい」とは全く別のグループです。

―ベーシックインカムの導入を願う全ての皆さんとの自由なつながりの中で、

実現に向けて一緒に進んでいきたいと思っています。―

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<本の紹介>  「分ちあいの日本、支えあいの世界」

―今の世の中、本当はどうなのか―

〜ベーシックインカムが創る未来  誰も飢えることのない明日〜

飯沼正晴・立川さき 著  明日のくに出版  800円 (A5版198ページ) 

ベーシックインカムええじゃないか、の呼びかけの元になった本です。

書店にはありません。ご注文は下記メール、電話、FAXへお願いします。

明日のくに出版  TEL&FAX 079−594−3930                

メールアドレス asitanokuni@yahoo.co.jp              

◆呼びかけ◆

関心を持って下さった方、ベーシックインカムについて、もっと知りたい方は下記サイトをご覧下さい。または表紙の連絡先までご一報下さい。共感、賛同下さった方は、あなたにできることを!ベーシックインカムを導入し、みんなが安心して暮らせる社会をつくろう! 

そのために、あなたにできること 

◆この小冊子は、コピー・転載自由です。

関心を持って頂けたら、どうぞ自由にコピー・転載して使って下さい。

印刷したものがありますので、ご入用の方は必要な枚数をお知らせ下されば送ります。

 ※1部20円+送料をお願いします。注文・お問い合せは表紙の連絡先までお気軽にどうぞ。

送料は15部まで80円、30部まで160円です。

    それ以上はゆうメールになります。送付時の郵便局の証紙を確認して下さい。

◆「ベーシックインカムって知ってる?」という話をして下さい。

あなたのまわり、家族や親せき、友人、知人にベーシックインカム制度を知らせて下さい。

職場や地域で、あなたが出会う人たちにも、みんなが安心して暮らせる社会になることを話して下さい。新聞、雑誌、ラジオなどに「ベーシックインカムを実現してほしい」という声を投書して下さい。参加されているサークルや集まりなどがあれば、この呼びかけを配って下さい。地元の議員や政治家にもベーシックインカムの導入を求めて下さい。

◆インターネットで ( http://bieejyanaika.web.fc2.com/ )

インターネットでも「ベーシックインカムええじゃないか」のサイトを開設し、この呼びかけの全文を掲載しています。このサイトをお知り合いに紹介して下さい。

あなたの参加する掲示版やサイトで、ベーシックインカムのことや、この呼びかけを紹介して下さい。ブログで日記などを書いている人はベーシックインカムという制度があることを紹介して下さい。導入を求める声を発信して下さい。

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